令和3年(2021)に、市役所周辺を含む中心市街地を対象として「黒石市まちなかエリアリノベーションプラン」(別掲)に係る公開プロポーザルが開催された。このプロポーザルに特定された案の全体監修および、エリアリノベーションの最初の建築となる「わのまちセンター」の設計監理協力を弊社が担当している。
2024年供用が開始した「わのまちセンター」は、2027年供用開始となる市役所本庁舎の分庁舎として位置づけられ、市役所機能のうち、住民の日常生活に密着した市民サービス部門を担うとともに、既存施設である「松の湯交流館」や市立図書館との連携により、まちの回遊性を高め、中心市街地の活性化へ繋げることが期待されている。
弊社が担当した「横町交流館」は、「わのまちセンター」の市民交流および休憩所機能を担うものとして、古くからの商店街である横町に面する一画に別棟として計画された。黒石市の伝統的建造物の様式に準じた意匠を採用したデザインとしているが、これは、計画地を含む街区が、令和2年4月に防火地域から準防火地域に変更となったため、伝統的な木造建造物に準じた意匠での計画が可能となったことが大きな要因である。また、黒石市の伝統的な町並みの意匠である「こみせ(木造アーケード)」の設置も容易になった。本計画では、長い間、伝統的な町並み再生が難しいと考えられていた横町に、この「こみせ」の連なりを先導することを意図しているが、本計画の工事中から、周辺の商店に「こみせ」設置の機運が高まり(いくつかは実現している)、民間も連動したエリアリノベーションに繋がり始めたことは喜ばしいことであった。